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尿路性器がんの早期発見について

男性

前立腺がん

前立腺がんの患者数は、近年、急速に増加し、1980年から2010年までの30年間で患者数は16倍となりましたが、その後も増加は続き、2019年には、男性のがん全体で患者数は1位、死亡者数は7位になりました。発症年齢は45歳まではほとんどいませんが、50歳過ぎから少しずつ見つかり、ピークは75~79歳で他のがんよりさらに高齢者のがんと言えます。血液検査(PSA値)で前立腺がんが疑われ、泌尿器科以外の病気で罹っている患者さんが泌尿器科に紹介されて受診し発見されることも多くなりました。このがんは前立腺内にとどまっている場合の相対的5年生存率は100%で、早期発見が極めて有望ながんです。尿が近い・出にくい、といった症状がなくても、50歳を過ぎたら泌尿器科を受診し検査を受けることをお勧めします。

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膀胱がん

膀胱は骨盤内のへその下あたりにある臓器で、腎臓でつくられた尿が尿管を経由して運ばれここに一時的に貯められます。腎盂、尿管、膀胱と尿道の内側の一部は尿路上皮という粘膜でおおわれ、ここから発生するがんを尿路上皮がんと呼び、そのうち膀胱内にできたのが膀胱がんです。膀胱がんは、男性に多く、また高齢になるほど多くなります。膀胱がんの原因では喫煙が最も重要で、喫煙している人は吸わない人に比べ4倍、過去に喫煙した人は2.3倍膀胱がんになりやすいと言われており、禁煙が膀胱がんの予防に最も大切です。膀胱がんでは80%以上に血尿が認められます。血尿には、自分で気づく肉眼的血尿と健診や他疾患での尿検査で発見される顕微鏡的血尿があります。多くの場合は、排尿痛や頻尿などの症状がなく肉眼的血尿も自然消失することがあり、発見が遅れてしまうことも稀ではありません。当院では血尿で受診された患者さん全員に尿検査、尿細胞診、腎・膀胱部エコーを行い、膀胱がんが疑われた場合は膀胱鏡検査で診断しています。治療は早期であれば内視鏡手術のみで終わることも多く、やはり早期発見が重要です。

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腎がん

腎臓は肋骨の下端の高さで背部の両側にある臓器で、通常、左右2つあります。尿を造り、血圧調節や造血に関係するホルモンを産生しています。腎がんは50歳代から70歳代の男性に多く、危険因子として肥満や喫煙が挙げられ、喫煙は腎がんのリスクを2倍にするといわれています。腎がんの罹患率は、人口10万人あたり男性では全体のがんの8番目、女性15番目で年々増加しています。腎がんの典型的な症状は、腫瘍の進行による血尿、側背部のしこりや疼痛といわれていましたが、近年では症状が出現する前に、健診や他疾患でのエコー検査やCTで偶然見つかることも多くなっています。なかでもエコー検査は被曝の心配もなく手軽に行えるため当院でもよく用いられます。エコー検査で腎がんが疑われたらCTのある病院に紹介し診断されます。治療は手術が基本です。進行していれば片側の腎臓が全摘されますが、早期であれば部分切除で腎臓をある程度温存することが可能で、やはり早期発見が重要です。

医療イメージ

その他のがん

稀に見つかるがんとして、「腎盂尿管がん」「精巣がん」「陰茎がん」などがあります。

大空

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